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ここから本文エリア 大垣日大(岐阜)ニュース あの失策、仲間と越えた 小林和稔主将2007年08月21日 頼みのエース森田貴之君(3年)が、常葉菊川打線につかまっていた。8回。連打を浴び、犠飛で1失点。味方の失策でさらに1失点。1死二塁で迎えた打者は、5回に三塁打を打たれた石岡諒哉君(3年)。初球を振り抜いた打球は、左翼に高く上がった。
左翼で守っていたのは主将の小林和稔君だ。打たれた瞬間、「あっ」と思った。夢中で飛球を追った。 ◇ 小林君は、自分のところに高い飛球がくるたびに頭をよぎるシーンがある。 昨秋の東海大会準決勝。相手は同じ常葉菊川だった。2回、小林君が飛球を「捕った」と思った瞬間、ボールはグラブの土手に当たり、こぼれ落ちた。この回、2失点。森田君は7四球、チームは5安打無得点。0―4で完敗だった。 「あれほど試合の流れを左右したエラーはしたことがない」。忘れようと思ったが、忘れられない。高い打球が上がるたび、記憶が早送りで3度はよみがえった。「『お前の捕り方は怖い』って言われるんですよ。大事に捕りすぎて」 時がたてば記憶は薄れた。だが、今夏の岐阜大会初戦、試合前のベンチで林丈紘君(3年)が言った。「お前のエラーでまた負けるかも」 「忘れかけてたのを言われるのは、正直しんどいんですけどね」と小林君。しかし「忘れすぎてしまうとまたやるかもしれないから、ある意味いい冗談」と笑顔だ。林君も「冗談を聞いて、逆に楽しんで欲しかった」。 ◇ 中学までは捕手だったから、外野の守備は、正直言って苦手だ。でも常葉菊川との3度目の対決で、この飛球だけは、どうしても捕りたかった。だが、打球は小林君の頭上を越え、左翼外野席に飛び込んだ。「スタンドの前で失速して欲しかった。でも、そんなこと考える前に入ってしまった」。試合を決定づける2点本塁打だった。 新チームになってから公式戦は28勝3敗。春の選抜大会では準優勝も経験した。それでも一つの飛球の記憶と、小林君は戦い続ける。 「何十年後とかに同窓会で集まっても、林は冗談で言うでしょうね。でも試合でどれだけ勝ったとかいうよりも、心に残る思い出なんです」 |