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ここから本文エリア 東福岡(福岡)ニュース 迷って学んだ「信頼」 東福岡・飯田浩平捕手2007年08月17日 11人が目の前を駆け抜けていった。捕手の飯田浩平君(2年)は、本塁に生還して喜びに揺れる相手選手の背中をただ見つめた。中学生の時に亡くした祖父の写真を胸にしのばせていた。「あこがれの甲子園で活躍する姿を見せたい」。でも、野球好きだった祖父の顔は消えていった。
「配球が読まれている」。決め球がことごとく強打される。冷静さを失い、頭の中は真っ白になった。マウンドに駆け寄り、「思い切っていこう。笑ってやろう」と投手を励ました。その言葉を自分にも言い聞かせた。リードの迷いは打撃にも響いて2三振。9点を追う6回、代打を出されて夏が終わった。 小学6年で軟式少年野球チームに入った。3歳で始めた水泳はあきらめ、練習に打ち込んだ。定位置は捕手だが、打撃力を買われて昨秋、外野のレギュラーに。入学時に70キロだった体重は冬場のトレーニングで10キロ近く増えた。 今夏の福岡大会から捕手に戻った。だが、公式戦で初めてのマスクをかぶるのが不安だった。背番号2で控え捕手の船越悠介主将(3年)が助言してくれた。チームはノーシードから甲子園まで駆け上がった。 初戦は逆転勝ちで突破したが、この日は意気込みが空回りし、力を発揮できなかった。自分に代わってマスクをかぶった先輩の船越主将は自信を持って投手を引っ張っているように見えた。 「船越さんのようなリードをしないと投手の信頼は勝ち取れない」。それも夢の舞台で学んだことのひとつだ。「また、ここに来ますから」。敗れた球児の多くが持ち帰る甲子園の土には見向きもせず、球場を去った。 |