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福井商(福井)ニュース

逆転の願い届かず 福井商の応援2000人

2007年08月09日

 強い日差しが降り注ぐ三塁側の福井商スタンド。同校から出発したバスや各選手の応援バスなど計42台で生徒や保護者ら約2000人の大部隊が到着した。選手の名前が刺繍(ししゅう)された黄色いタオルを首にかけるなどして懸命の応援を展開した。初戦突破の願いは届かなかったが「よく頑張った」「来年また連れてきて」――。惜しみない言葉が飛び交った。

写真7回裏、代打野路の安打にわく福井商の生徒たち
写真福井商を応援する同校野球部員ら=兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で
写真スタンド最上段で校旗を掲げる福井商野球部の山本恭大君(左)と五十嵐翔平君(右)

 3回表、佐賀北に1点を先制された。「まだまだこれから。よーし、もっと声を上げて応援するぞ」と野球部員らは声をかけあった。

 この回の裏、福井商の反撃が始まった。遊撃手小林選手の二塁打で一塁走者酒井選手が三塁に進む。総立ちとなった観客らは黄色いメガホンを口に近づけ、声援にも熱がこもる。

 無得点のまま、ついに最終回を迎えた。1死から宇野選手が右前安打で出塁し、意地を見せる。だが、最後の打者のバットが空を切った。一瞬、応援席が静まりかえった。福井商の夏は終わった。相手校歌が流れた後、選手たちがスタンドに駆け寄った。目に涙を浮かべる選手の姿もある。「よくやった」「お疲れさま」。ねぎらいの言葉が飛び、大きな拍手が起こった。

 両手を合わせ、祈るように試合の経過を見ていた吹奏楽部長の小林梓乃(しの)さん(17)は「点数が入らなかったのは残念だけど、ずっとあこがれていた甲子園に3回も連れて来てもらえたのは、選手たちのおかげです。お礼を言いたい」と声を詰まらせた。

 部員5人を学校のそばで下宿させている上出つや子さん(76)は「選手たちは自分の子どもみたいなもの。ハラハラして見ていられなかった。帰ってきたら、みんなの好きな鶏のから揚げを作ってねぎらいたい」。

 昨年、主将を務めた江守慎一郎さん(19)は「勝てる試合だったと思うと残念。相手のペースにのまれてしまい、ヒットを打ってもあと一本が出なかったが、よく頑張った。お疲れさまと言ってあげたい」と健闘をたたえた。

 宇野選手の父で野球部父母の会会長の喜一さん(47)は「3年間ご苦労さま。相手の投手の変化球にやられた。安打の数はこっちの方が多かったので悔しい。今はとにかくゆっくり休んで」と気遣った。

 第61回選手権大会に敦賀高校から出場し、1回戦で負けたことのある島野選手の父、浩和さん(45)は「走塁ミスなどで試合の流れが悪かった。私ができなかった1勝をぜひ来年、実現して欲しい」とねぎらった。

 試合は中盤に。4、5、6回と点数が入らないまま、じりじりと推移する。相手投手に三者凡退に抑えられると、ため息があちこちから漏れる。スタンドには重苦しい雰囲気が漂い始めた。

 前田選手の兄勝矢さん(20)は、第77回選抜大会に出場した経験がある。「相手投手にうまくやられている。自分は夏の甲子園に出られなかったので、ぜひ勝って欲しい」と弟にエールを送った。

 「ほら、みんな立って。しっかり声を出して応援して」。約50年間福井商の私設応援団長を務め、この日は朝一番に甲子園のゲートをくぐったという西村敏明さん(65)が檄(げき)を飛ばした。生徒や選手の父母たちも選手の名前を連呼。「燃えろ燃えろ」「レッツゴー」と声援を送り続けた。

 8回表。佐賀北が本塁打を放ち、2点目を許してしまった。山田選手から宇野選手に投手交代のアナウンスが流れると、スタンドから「宇野」コールが巻き起こった。その宇野選手が相手打者を三振に打ち取るたびに拍手や歓声がわき起こった。


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