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福井商(福井)ニュース

福井商、好機逃し涙 安打8本も本塁遠く

2007年08月09日

 「バントをミスしたり、チャンスで打てなかったり、自分たちの負けパターンがもろに出てしまった」。主将の小林光が語った言葉が、すべてを象徴していた。第89回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高野連主催)が8日開幕し、開会式直後の試合で佐賀北(佐賀)と対戦した福井商は、接戦の末、0―2で惜敗した。真夏の日差しが照りつけ、開幕試合という独特の緊張感の中、選手たちは懸命にプレーしたが、福井商らしい野球ができず、一歩及ばなかった。

写真佐賀北−福井商 3回裏福井商二死一塁、小林は右翼線二塁打を放つ。捕手市丸
写真佐賀北−福井商 8回表、マウンドを宇野(右)にゆずる先発の山田

    ◇

 福井商は、序盤から佐賀北の先発左腕馬場を打ちあぐねた。狙い球を外のスライダーか直球に絞り、前日もマシンや左投手の外のスライダーを中心に打ち込んできた。しかし、コースぎりぎりに投げ込まれるスライダーをひっかけ、内野フライに打ち取られたり、空振り三振となったり。それでも、7回途中で継投した久保からも合わせて、放った安打は計8本。佐賀北の5本を上回ったものの、本塁が遠かった。

 1点を追う7回、宇野の右前安打で初めて無死からの走者が出た。しかし、続く前田のバントは投手のほぼ正面に転がり、宇野は二塁でアウト。「難しい球をバントしてしまった」と北野監督が振り返った。続く島野の場面で、福井大会で6割2分5厘と打率がチームトップだった野路が代打に。野路は右へうまく流してつなぎ、1死一、二塁としたが、ここから継投した佐賀北の右腕久保に抑えられた。

 8回、先頭の村田が左前安打で出塁。続く酒井の場面で、一塁走者の村田に出たのは「行けたら行け」という盗塁のサイン。村田は投手のモーションをうかがい、右足に体重を乗せ、スタートを切ろうとした。「クイックが速い」。盗塁はできないと判断し、とどまった。

 ところが、次の瞬間、酒井が強打し、遊撃ゴロに。わずかにスタートが遅れた村田。50メートル走5.7秒の俊足を飛ばしたが、遊撃手から二塁手への送球は、ぎりぎりのタイミングでアウト。「あれがセーフだったら」と村田は悔やんだ。「ストライクは積極的に行こうと思っていたけど、気持ちばかりが先に出て、突っ込んでしまう悪いくせが出た」と酒井。

 続く小林が放った中前安打では、酒井が一塁から一気に三塁を狙ったが、二塁を回ったあたりで足がもつれてスピードに乗れず、タッチアウトに。送球の間に二塁に進んだ小林は三盗に失敗。「流れを変えなければ。ノーサインだったけど、ギャンブルも必要」と思ったが、相手の送球に負けた。積極的に次の塁を陥れる、普段の福井商らしさが全く出せなかった。

 先発した山田は立ち上がりから変化球が高めに浮き、制球に苦しんだ。1回の2死満塁など4度、得点圏に走者を背負ったが、要所を締めて3回の1失点のみに抑えていた。ところが8回表、先頭打者の副島を2ストライクに追い込んだ後、スライダーが甘く入った。外に構え、「ボール球がほしかった」という捕手の中村の思惑と異なり、抜けて真ん中やや高めに入った球を強打された。右から左へ強く吹いていた浜風に乗り、打球は左翼ポール際スタンドへ。「あの一球が悔やまれる」と、山田は肩を落とした。

 それでも、1年間思い続けたあこがれのマウンドで、のびのびと投球した。昨夏は福井大会ではベンチに入ったが、甲子園では登録メンバーから外された。悔しさを胸に、1年間投げ続けてきた。「みんながいたから、ここまで投げてこられた。楽しかった」

 「歴代最弱」とも言われ、「今年は無理かもしれない」と北野監督が思った時期もあったが、甲子園への思いをあきらめなかった選手たち。

 福井商の甲子園への恋は実った。だが、勝利への思いはわずかに届かなかった。

◆雰囲気にのまれた

 福井商・小林光主将の話 甲子園の雰囲気にのまれてしまった。すぐにひっくり返せる点差だったが、焦りもあって好機を逃した。好投してくれた投手陣に申し訳ない。2年生が多いチームなので、この経験を生かして頑張ってほしい。

◆見逃しが多すぎた

 福井商・北野尚文監督の話 山田は調子を落としていたが、よく投げた。打者には外角の直球やスライダーを狙わせたが、見逃しが多すぎた。つながりに欠け、走塁やバントでもミスが続いた。やることなすこと、うまくいかなかった。


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