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帝京(東東京)ニュース

帝京の戦い振り返って 再起へ接戦制す力を

2007年08月21日

 優勝候補の一角だった東東京代表の帝京は、準々決勝で佐賀北(佐賀)に延長戦の末、3―4でサヨナラ負けし、今夏も全国制覇は果たせなかった。東東京大会を「断トツ」との前評判通り勝ち上がり、甲子園でも3試合続けて圧勝。しかし、出場2回目の新鋭に思わぬ敗戦を喫した。チームは20日に帰京、この夏の経験を糧に新たな課題の克服に向けた挑戦が始まる。

写真グラウンドの土を集める帝京の選手たち=阪神甲子園球場で

 この1年間、チームは「甲子園の借りは甲子園でしか返せない」を合言葉に練習してきた。昨夏の準々決勝で、智弁和歌山(和歌山)に12―13で逆転負けしたことからスタートした。

 「ここ一番での精神力が足りなかった」との反省から、全体での練習の後、ウエートトレーニングや投げ込みなど個人練習に黙々と取り組む選手が増えた。

 その結果、甲子園を経験した7人を中心に都内では無敵の強さを誇った。昨秋、今春と続けて都大会を制覇。序盤で大量得点するパターンで圧勝を続けた。

 今夏の東東京大会もチーム打率は3割を超し、6試合で47得点。だが、前田三夫監督は「大会序盤はチーム状態はどん底だった」と振り返る。今春の甲子園で1試合20奪三振を記録した大田阿斗里投手(3年)が、1死も取れずに降板する展開が2試合あったり、コールド勝ち寸前で失点する場面があったりした。

 実際、チームが本調子になったのは甲子園に入ってからだった。1回戦の駒大岩見沢(北北海道)戦は、エース・垣ケ原達也投手(3年)が安定し、集中打で7―1と快勝。2回戦の神村学園(鹿児島)戦は高島祥平投手(2年)が11三振を奪い、9―2で順当勝ちした。

 「新生帝京」を印象づけたのは、6―0で快勝した3回戦の智弁学園(奈良)戦。放った10安打はすべて単打、きわどい球を見極めて9四球を選び、4盗塁も記録した。長打で圧倒するのではなく、エンドランなど足を絡めた多彩な攻撃パターンを見せた。高校通算60本塁打の中村晃主将(3年)も「本塁打は狙わない。安打でつないだ方が勢いが出る」。この3回戦までに、チーム全体で喫した三振がわずか一つだったことも、堅実な野球ができたことを裏付けている。

 だが、佐賀北戦では何かがかみ合わなかった。同校の百崎敏克監督自身が「勝つとしたら帝京の選手が寝不足で、うちの選手がベストの状態の時だけ」と話すなど、試合前は圧倒的に「帝京有利」とみられていた。

 先制されたのは1、2回戦と同じだが、これまでの展開とは違ったのは、同点に追いついた後の「1点」が取れなかったことだ。一度もリードを奪えないまま、このチームでは公式戦初めての延長戦に。徐々に、2回戦で延長15回引き分け再試合を経験した佐賀北のペースになっていった。

 甲子園で7安打と好調だった杉谷翔貴選手(同)は「相手は延長になっても集中力を切らさなかった」。中村主将も「接戦の弱さがチームの課題」と振り返った。前田監督も「5回までに勝ち越せなかったことが敗因」と唇をかんだ。

 新チームでは、高島投手と鎌田康豪捕手に加え、この夏もレギュラーだった杉谷拳士選手と高津孝広選手の2年生が残る。杉谷選手は「おそらく自分が主将になる。負けないチームを作る」。鎌田捕手も「来年も甲子園に来て、帝京は強いと思われたい」と、再起に意欲を見せる。

 大量リードに慣れた帝京と対戦するチームは、接戦に勝機を見いだそうとするケースが多い。もつれた試合展開になっても、忍耐強く1点をもぎ取れる力を身につければ、今度こそ全国制覇を果たせるはずだ。


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