ここから本文エリア

第89回全国高校野球選手権大会

甲子園だより

著者紹介

神田憲行

(かんだ・のりゆき)

1963年、大阪生まれ、ノンフィクション・ライター。大会終了後に発売される週刊朝日増刊「2007 甲子園Heroes(ヒーローズ)」(朝日新聞社刊)の取材のため、 期間中は甲子園通いの日々を過ごす。甲子園取材歴は13年連続14年目。送りバントよりヒットエンドラン派。三つ目のストライクを内角ストレートで取りに来る投手にシビレる。著書に『横浜vsPL学園』(共著、朝日文庫)、『97敗、黒字。』(朝日新聞社刊)、『八重山商工野球部物語』(ヴィレッジブックス)など。

地力の広陵か、勢いの佐賀北か  08月22日

 佐賀北の百崎監督は、主将が抽選会で開幕試合を引き当てたとき、「(負けたらすぐ帰らなきゃいけないので)なんで引き当てたんだって、いってたんですけれどね」と、試合後に笑っていました。最初に出てきたチームが最後まで残る。佐賀北、決勝戦進出です。

 佐賀北の力は、「勢い」です。勢いは目に見えないし数字にも表れませんが、高校野球で勝つためには重要な要素のひとつ。選手起用にしても作戦にしても、ズバズバ当たってます。百崎監督の勝負勘はいま最高に冴えています。

 対する広陵。初戦の駒大苫小牧に勝ってから、こちらも「地力」を発揮してきました。

 地力に優る広陵か、勢いの佐賀北か。

 そのなかで注目している選手がふたり。広陵の捕手・小林選手と、ショート・上本選手です。小林選手は常葉菊川戦で、向こうの石岡捕手について「技術はすべて向こうが上」と謙そんしていましたが、いやあ、なかなか。配球を読んで打ってくる常葉菊川打線の狙いをことごとく外し、「キャッチャーのリードがうまくて、ねらい球を絞れなかった」(石岡)という見事な配球を見せました。勢いがある。

 ショートの上本選手は、あの(と書いただけで、高校野球ファンはわかりますよね)早稲田で活躍する上本選手の弟です。常葉菊川戦ではセーフティバントや2盗塁を決めたり、やりたい放題でした。グラウンドでいま、もっとも自己実現が出来ている選手です。

 佐賀北がこの小林選手と上本選手を止められるか。勝敗はそこにかかっていると思います。

このページのトップに戻る