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第89回全国高校野球選手権大会

甲子園だより

著者紹介

神田憲行

(かんだ・のりゆき)

1963年、大阪生まれ、ノンフィクション・ライター。大会終了後に発売される週刊朝日増刊「2007 甲子園Heroes(ヒーローズ)」(朝日新聞社刊)の取材のため、 期間中は甲子園通いの日々を過ごす。甲子園取材歴は13年連続14年目。送りバントよりヒットエンドラン派。三つ目のストライクを内角ストレートで取りに来る投手にシビレる。著書に『横浜vsPL学園』(共著、朝日文庫)、『97敗、黒字。』(朝日新聞社刊)、『八重山商工野球部物語』(ヴィレッジブックス)など。

ヘビー級の打ち合いに期待 常葉菊川対広陵  08月21日

 常葉菊川の選手たちの力の強さには驚きました。大垣日大の森田選手が「選抜の決勝で対戦したときよりも、みんな体つきが良くなっている」と話した通り、腕っ節が強い。2番打者の町田選手ですら、ファウルでもとんでもない当たりを飛ばす。

 常葉菊川の森下監督は「公式戦でスクイズをしたことはありません。でもそれはポリシーだからというのではなくて、単純にそういう機会がなかったからですよ」

 とおっしゃっていましたが、どうでしょうか。常葉菊川のある選手は「スクイズの練習はしたことありません」と言ってました。

 スクイズがあるかな、と思ったのは、昨日の8回裏の攻撃。2−1で1点差だけのリードで、無死二、三塁。打者の五番中川は、今大会ノーヒットです。左打者だから三塁走者が見やすいとはいえ、1点がノドから手が出るほど欲しい状況です。スクイズしてもおかしくないでしょう。でもここで、中川選手はあっさりとセンターに犠牲フライを上げて、三塁走者を迎え入れるんですね。

 あの打力、パワーがあれば、なまじスクイズしたり送りバントを多用するより、打った方が早い。

 これまで甲子園を沸かせた打力のチームといえば、いにしえのPL学園にはじまり、智弁和歌山、日大三などがありました。しかし常葉菊川の打力は近来まれに見る、力の強さを感じます。9番打者の投手の田中選手以外、1番から8番まで、アウトになっても凄い打球が飛ぶんですから。

 常葉菊川の対戦相手は、広陵です。こちらも打撃に関しては「腕に覚えあり」。お互いの投手の調子が尻上がりに良くなっているので大量点とはいかないと思いますが、右に左にすさまじい打球が飛ぶでしょう。ヘビー級ボクサーの対戦です。

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