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第89回全国高校野球選手権大会

甲子園だより

著者紹介

神田憲行

(かんだ・のりゆき)

1963年、大阪生まれ、ノンフィクション・ライター。大会終了後に発売される週刊朝日増刊「2007 甲子園Heroes(ヒーローズ)」(朝日新聞社刊)の取材のため、 期間中は甲子園通いの日々を過ごす。甲子園取材歴は13年連続14年目。送りバントよりヒットエンドラン派。三つ目のストライクを内角ストレートで取りに来る投手にシビレる。著書に『横浜vsPL学園』(共著、朝日文庫)、『97敗、黒字。』(朝日新聞社刊)、『八重山商工野球部物語』(ヴィレッジブックス)など。

ミラクル佐賀北が来たぞ  08月20日

「今日の試合、どなたも私たちが勝つとは思っていないでしょう」

 試合前、佐賀北の百崎監督は報道陣にそう話したそうです。一方で選手たちには

「ああいうチームを制するのが、自分たちの楽しみなんだからな」

 と、鼓舞していました。

 試合前、選手に「今まで優勝経験のある学校と練習試合したことある?」と尋ねると、「西日本短大付属、広島商……」などがあがりました。関東の私学とは経験がない、とのこと。

「だから帝京みたいな学校と、本気の勝負が出来るのが楽しみなんです」

 これを聞いて私は安堵(あんど)しました。

 たまに公立高校の中で勝ち上がってきてベスト8ぐらいに入ると、「お腹いっぱい」になって勝負への執着心が薄れている学校があるからです。

 彼らはまだまだファイティング・ポーズが取れるぞ。

 それがあのスクイズを二度、刺殺したプレーにつながったのでしょう。まさにミラクル佐賀北です。帝京と延長13回やって、引き分け再試合もあるので、これで佐賀北は甲子園で55イニング戦っています。6試合分です。普通ならとっくに優勝してます(笑)

 ちなみに帝京戦前夜の佐賀北の宿舎での夕食メニューは

《シューマイ、ショウロンポウ、カツとじ、長崎チャンポン、トウフサラダ》

 でした。メタボなおっさん記者の私にはめまいがしそう(笑)

 この暑さの中、戦いを続けていくためにはそれだけの栄養の摂取が必要なんでしょう。

 佐賀北、今日一日たっぷり休んで、ガッツリ飯食って、明日の準決勝、元気に出てこい!

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