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第89回全国高校野球選手権大会

甲子園だより

著者紹介

神田憲行

(かんだ・のりゆき)

1963年、大阪生まれ、ノンフィクション・ライター。大会終了後に発売される週刊朝日増刊「2007 甲子園Heroes(ヒーローズ)」(朝日新聞社刊)の取材のため、 期間中は甲子園通いの日々を過ごす。甲子園取材歴は13年連続14年目。送りバントよりヒットエンドラン派。三つ目のストライクを内角ストレートで取りに来る投手にシビレる。著書に『横浜vsPL学園』(共著、朝日文庫)、『97敗、黒字。』(朝日新聞社刊)、『八重山商工野球部物語』(ヴィレッジブックス)など。

驚異の帝京・ビッグイニング打線  08月19日

 見てくれましたか。文星芸大付・佐藤投手と今治西・熊代選手の内角ストレート対決。あの決勝本塁打は、内角ストレートでした。熊代選手が「カウントが0−2になったので、佐藤君は絶対に内角ストレートを投げてくると一発狙いではってました。手応えがあったので、打った瞬間入ると思いましたよ」といえば、佐藤投手は「思い切って内角に投げられので、悔いはありません」。

 内角を軸に展開した漢(おとこ)と漢の勝負です。

 しかしあの内角ストレートは高くなかったし、そんなに悪い球にも思えなかったのですが……。それをいくら「はっていた」と言っても、あそこまで持って行きますか。あれをスタンドにたたき込める熊代選手の打力、一発にかける迷いのなさに脱帽です。

 甲子園は今日から、4強を決める第1ラウンドです。

 優勝候補・帝京に頂点を狙う風格が出てきました。甲子園3戦目でエースを初めて先発起用、強打の智弁学園を完封しました。打線も盗塁など相手の隙をつく攻撃がうまい。1回戦の駒大岩見沢戦は4回に5点、2回戦の神村学園戦が3回に6点、そして昨日の智弁学園戦が2回に4点と、相手の戦意を奪うようなビックイニングを、しかも序盤に仕掛ける。この帝京の「ビッグイニング攻撃」をどう防ぐかがカギになるでしょう。

 対する佐賀北は今大会が甲子園出場2回目の公立高校ですが、宇治山田商との延長・再試合を制してから、チーム力がグングン増してきました。甲子園で強くなる高校の典型です。リリーフであがるエース久保投手がこれまで再試合を含めて4試合に登板し、19イニングと3分の2を投げて自責点「0」というのも心強い。

 好試合が期待できそうです。

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