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第89回全国高校野球選手権大会

甲子園だより

著者紹介

神田憲行

(かんだ・のりゆき)

1963年、大阪生まれ、ノンフィクション・ライター。大会終了後に発売される週刊朝日増刊「2007 甲子園Heroes(ヒーローズ)」(朝日新聞社刊)の取材のため、 期間中は甲子園通いの日々を過ごす。甲子園取材歴は13年連続14年目。送りバントよりヒットエンドラン派。三つ目のストライクを内角ストレートで取りに来る投手にシビレる。著書に『横浜vsPL学園』(共著、朝日文庫)、『97敗、黒字。』(朝日新聞社刊)、『八重山商工野球部物語』(ヴィレッジブックス)など。

死のゾーン現る!  08月06日

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 こんにちは……という書き出しで始めて、この「甲子園便り」も4年目に入りました。ノンフィクション・ライターの神田憲行です。甲子園取材は13年連続、14年目になりました。

 今年前半は高校野球を巡る問題が起きました。でもまあ、それはここでは置いておきましょう。個人的にはいろいろ思うのですが、どの選手の全力プレーにも私たちが拍手を送ることに変わりはないのですから。

 今年は大本命がいない、戦国大会といわれています。そのなかで私の独断と偏見で、考察していきます。

 まず注目すべきは駒大苫小牧でしょう。3年連続決勝進出なのですから、もはや名門といってよい。選手権大会では4年連続で決勝にコマを進めた学校はありません。コマトマにはその偉大な記録に挑戦して欲しい。

 コマトマと双璧かな、と私が思うのは帝京なんですが、みなさんはどうですか? 先発能力がある投手が3人もいて、攻撃も長打あり足技もあり、バリエーションが豊富です。次に春夏連覇をうかがう常葉菊川と大垣日大も面白いです。

 CSで放送される各地の決勝戦を見ていて注目した選手がふたり。

 今治西の熊代選手はエースで四番。ピンチにも笑顔を見せて強気の投球で乗り切り、チャンスに強い打撃を披露。久しぶりに見た「大人の高校生」という感じです。18歳という年齢は微妙で、取材していても大人の部分が半分、まだ子どもの部分が半分あると感じることが多いのですが、熊代投手は大人の部分が3分2くらいあるんじゃないのかな。守備も堅い堅い。愛媛代表は済美といい、松山商といい、しっかりしたチームが出てくるなあ。

 いつも豪打で沸かせる智弁和歌山は今年、投手力が自慢です。準決勝・決勝に先発したのが、1年生左腕の岡田投手。まだ腕が細くて顔も「少年」で、最初、テレビで見たときは「あれ、子どもが投げてる……」と思ってしまいました(笑、岡田投手、ごめん)。でもストレートの変化球のキレ、マウンド度胸は3年生級です。

 この智弁和歌山が初戦、佐藤由投手擁する仙台育英と対戦するんですなあ。よくよく見るとこのブロック、帝京はいるわ、大阪大会で中田翔の大阪桐蔭を破った金光大阪がいるわ、大変なことになってます。まさに「死のゾーン」です。

 こんな調子で今年もバックネット裏からの生情報を、大会決勝の翌日まで毎日お届けします。よろしくお願いします!

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