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ここから本文エリア 市船橋(千葉)ニュース 市船橋1勝ならず 好投手前に本塁遠く2007年08月10日 夏の甲子園に出場した市船橋は、2年連続出場の栃木代表・文星芸大付と対戦した。開会式後という、独特の雰囲気での初戦。市船橋は、昨夏を知る左腕エースの前に無得点に抑えられた。しかし、二枚看板エースの力投や、持ち味の堅い守りで、何度も相手の進塁を阻んだ。激戦の千葉を勝ち上がり、つかんだ夢の舞台。市船橋の夏を振り返った。
試合前、市船橋の桜内剛監督と文星芸大付の高橋薫監督はそれぞれ、「鍵となる選手」に投手をあげていた。 対戦が決まった時から言われていた「似たもの同士対決」。どちらも、投手を中心に堅い守備から流れを作っていくチームだからだ。 市船橋の地方大会での失策数は2。49代表の中で最も少ない失策数を誇っていた。投手陣は、140キロ台後半の速球を投げる岩崎翔君と、山崎正貴君の二枚看板が注目を集めていた。 対する文星芸大付には、昨夏の甲子園のマウンドを知っているエースの佐藤祥万君がいた。抜群の制球力を持つ左腕投手だ。市船橋の左打者は9人と多い。勝つポイントの一つとして桜内監督は「左打者が何とか佐藤君を攻略してくれれば」と話していた。 ◇ 市船橋の先発は山崎君だった。千葉大会では山崎君が最少失点で中盤まで乗り切り、継投した岩崎君が要所を締める継投パターンが多かった。 甲子園での1回戦の直前。桜内監督は「もちろん山崎に9回投げきって欲しいが、状況を見て継投もありうる」と言った。継投かどうかの見極めは6回。山崎君自身、「岩崎には投げさせない気持ちで、力で押していく」と意気込みを見せていた。 「マウンドに上がった山崎の調子は良かった」と、捕手の篠崎敦彦君は振り返る。 1回、中軸の佐藤君に対して徹底的に内角を攻め、内野ゴロに打ち取った。次打者から三振を奪い、立ち上がりは順調のように見えた。 しかし、2回。初球から直球をとらえられ、3安打を浴びて先制を許した。そして5回。3点目を入れられ、山崎君は予想より早く降板した。 代わってマウンドに立った岩崎君。さらに2点を与えたものの、表情を変えない落ち着いた投球で、140キロ台の速球を投げ込んだ。9回には自己最速となる150キロも記録した。 二枚看板は頑張った。しかし、経験豊富な相手エースが一枚上だった。佐藤君の丁寧に内外角に球を散らす投球に9三振を奪われた。 ◇ 野手の交錯や悪送球など、市船橋自慢の堅守に乱れもあった。 それでも、3回と6回には無駄のない動きで併殺に仕留めるなど、持ち味が光る場面も随所にあり、スタンドはその度に大きく沸いた。 千葉大会、接戦で勝負強さを発揮した打撃も佐藤君を攻めあぐねた。 そんな中でとりわけ印象に残ったのは、主将の野田和宏君の奮闘ぶり。6回、遊ゴロを打つと全力疾走。ヘッドスライディングで内野安打をもぎ取り、好機を作った場面は主将の意地を見せた。 「派手さはない。詰まった当たりも多いが、それが持ち味」と話した市船橋の打線。最後まで本塁を踏むことはかなわなかった。 野田君は何度も「よそ行きのプレーじゃなく、守り勝つ自分たちのプレーをしたい」と話していた。「回を追うごとに焦りが出てしまった。もっと野球がしたかった」と悔やんだが、「みんな、本当によくついてきてくれた」と言葉を継いだ。 市船橋の夏は終わったが、チームにはベンチ入りした5人の2年生が残る。 国枝寛樹君と高橋亮太君は、大舞台でそれぞれ内野安打を放ち、確かな自信を得たと思う。甲子園での経験を胸に、彼らは新しい市船橋を作り上げていくだろう。来年の夏を目指して。 |