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金足農(秋田)ニュース

配球変更、主戦よみがえらせた 金足農・武田政宗捕手

2007年08月12日

 「変化球で行こう」

写真大垣日大−金足農 6回表大垣日大無死二塁、ピンチを迎えマウンドで話す捕手武田と投手今野=阪神甲子園球場

 6回の守備に出る前、捕手武田政宗君(3年)は主戦今野陽介君(3年)に話しかけた。今野君はうなずいた。

 4回途中からマウンドに立った今野君は持ち味の直球が決まらず、4、5回と四球で走者を出した。逆にスライダーやカーブの制球は良かった。武田君は思いきって配球を変えようと決めた。

 判断は的中。6、7回は変化球を主体に投球を組み立て、打ち取った。「だんだん調子が上がっていった」。今野君自慢の直球もよみがえった。

 思い切った配球の変更には訳がある。

 5日に対戦校が決まってから、武田君は岐阜大会のビデオを見て大垣日大を研究した。相手打者のくせを丹念に洗い出した。結論は「大垣日大打線は早いカウントでの変化球に手を出すくせがある」。配球の変更は、作戦通りだった。

 武田君の考える理想の捕手は「調子の悪い投手をうまくリード出来る捕手」。武田君は練習中から投手たちに積極的に話しかけ、率先して球を受け続けた。毎日投手一人一人の調子や気付いたことをメモした。投手陣からは「武田なら安心して投げられる」と言われるまでに成長した。

 この日は二つの盗塁を刺し、肩でも投手をもり立てた武田君。大垣日大の阪口慶三監督も「相手の捕手は肩が弱いと思ってしまい、走らせた。思ったよりもコントロールが良かった」とほめた。

 ただ「あそこだけは悔やまれる」と武田君が振り返るのは、勝ち越された場面だ。8回表2死二塁。今野君の直球が決まり、カウントは2―0。両手を大きく広げ構えた武田君。外角に外れるはずのスライダーが内に入り、痛打された。

 今野君は「自分の失投でした。それまで引っ張ってくれた武田に申し訳ない」と唇をかんだ。武田君は「3年間受け続けた今野の球だ。あの場面では、自分がもっと外に構えていなければ。そうすれば打たれなかった」。

 試合後、武田君は投手陣に「ありがとう」を繰り返した。「今野も、高橋も、浅野も、みんな最後まで信頼して投げてくれた。最高の舞台で、最高の仲間に支えられた」


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