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泥まみれで得た初ヒット 1番打者の川岸佑多選手

2006年08月16日

 役目を果たす時がきた。3点を追う7回、川岸佑多君(3年)に先頭打席が回った。「とにかく塁に出て勢いづける」。1番打者としての自覚だ。

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桐生第一―東洋大姫路 7回表桐生第一無死、川岸佑は投前内野安打を放つ=阪神甲子園球場で

 「ちょっとでも流れを変えてやる」。カウント2―2から、スライダーをはじき返す。感触が悪く、「間に合わないか」。相手投手が捕球し、一塁へ送球する間に、一塁ベースに飛びつくように滑り込んだ。

 泥だらけになって顔を上げると、バックスクリーンにヒットを表す「H」の文字。桐生第一の応援団が見守る一塁側スタンドからも大歓声が上がった。敵失などで進塁すると、犠飛で本塁を踏み、1点を返した。

 自分のことを、「練習嫌い」で「自信家」と屈託なく言う。だが、6月下旬、「お前を見てると甲子園に行きたいんだか行きたくないんだかわかんない」。ミーティングでチームメートに言われた言葉がこたえた。野球に取り組む気持ちが、変わった。

 注意されたこと、反省したこと。それらを毎日、野球ノートに書き続けた。練習後、個人ノックを受けて苦手だった守備も鍛えた。群馬大会では5割超の打率でチームを引っ張った。

 初戦の佐賀商戦では、大振りばかりで打てなかった。2戦目は、チームのためにヒットでつなげることに徹した。

 甲子園で放った唯一のヒットは、泥臭いヒットだった。「でも宝物です」。最後は笑顔で球場を去った。

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