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「泣き虫」返上した好投 2年生エース・大田阿斗里選手

2006年08月13日

 阿斗里という名前は、スズメ目アトリ科の小さな冬鳥が由来。鳥の写真を撮るのが好きだった父の影響で姉2人も鳥の名前だ。185センチと大きく育ったが、チームメートは「体に似合わず気が弱い」と口をそろえる。甲子園の初戦は、そんな評判を払いのける場になった。

 帝京の2年生エース・大田阿斗里君のまっすぐは走っていた。球威も十分。序盤から如水館の打者をぐいぐいと押した。1回には自己最速の145キロを記録。「腕が振れていた」

 カウントが悪くなっても、ひるまなかった。7回途中で降板したが、7奪三振。前田三夫監督は「ここまで投げれば十分」と評価した。

 「顔がダメだ。泣き虫の顔をしとる!」。練習でも試合でも、監督には怒られっぱなし。ピンチになると、パニックになっておろおろする。「いい意味でも悪い意味でも、優しさが前面に出てしまう」と監督。

 練習で甲子園のマウンドに初めて立ったときも、スタンドの大きさに圧倒された。「こんなところで投げられるの?」。そう不安になったが、本番では楽しんで投げられた。

 試合開始前、チームに与えられた練習時間に外野のフェンス沿いをジョギングした。すると「気持ちが高ぶった。このマウンドに立てるなら、自信を持って投げたい」と緊張から解放された。苦手な立ち上がりを乗り切り、自分のペースをつかんだのが勝因だ。

 東東京大会の決勝で立ち上がりに3安打を浴び、1回途中で降板した悔しさから一転、「甲子園は自分を強くしてくれた」と話す。「泣き虫」の汚名は返上だ。

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