幸せの青いハンカチ
08月22日

斎藤投手には、敬服いたしました。
5回まで飛ばしすぎではないかと思ったのですが、まさかそのままのペースでゴールインできるとは。彼の投球のポイントは、13個もの三振を取りながらも、球数は118球にとどまっているところです。普通、こんだけ三振取れば球数は130から140はいくでしょう。それなのに120球以下。斎藤投手が三振を取るべき打者と打たせて取る打者を区別していた、クレバーな投球の証拠だと思います。
その取るべき打者が、駒大苫小牧の主将で中心打者、4番本間篤選手でした。今日は4打数3三振、昨日と合わせて8打数5三振です。本間選手は昨日の試合後、自分のふがいなさに納得できなくて、ひとりで打撃練習をしたそうです。両チーム合わせて延長15回も戦った後に居残り特訓していた選手は、本間選手以外知りません。努力の虫らしい、彼の姿勢です。
その本間選手からさらに三振を奪っていったとは、斎藤投手に脱帽しました。9回裏、駒大苫小牧の3番中沢選手に1点差に迫られる2ラン本塁打を打たれたあとでも、斎藤投手が本間選手を三球三振に切ったことで、流れを渡しませんでした。あそこが勝負の分かれ目だったように思います。
試合が終わって閉会式があって、「準優勝」の盾を主将の本間選手がもらったあと、責任を感じてがっくりしている彼に田中投手が笑顔でこういいます。
「泣くな」
そのときの田中投手の顔が、実にいい顔なんだなあ。今までで初めて見せる「大人の男」の顔をしていました。本間選手もそれで救われて、
「日本で2位になれて嬉しいです」
と試合後にいってくれました。彼の誠実な姿勢を知っている私も、取材していて救われた思いです。
3連覇の偉業は惜しくもなりませんでしたが、この敗戦は駒大苫小牧の選手たちをまた成長させました。敢えて偉大なる敗戦だったと、間近で取材していた人間として、確信を持って証言いたします。
長い間お付き合いいただきまして、ありがとうございました。