クールな頭脳でハートは熱く
08月21日
早実・斎藤投手に感動しました。
試合のポイントのひとつが、11回表、駒大苫小牧が1死満塁と攻めたところです。打者の7番岡川がスクイズのサインで空振り、飛び出した三塁走者が捕手から三塁手への送球でタッチアウトになった場面です。
岡川選手が空振りした球は、ワンバウンドでした。しかしなんとあの「ワンバン」は、偶然ではなかったのです。「ヒーローズ」編集部の斎藤担当記者の取材によると、あのとき斎藤投手は投球動作に入ったときに三塁ランナーが走るのをみて、スクイズとわかり、直感的にバントしにくいワンバンを投げたそうです。
おいおい、高校野球版「江夏の21球」かよ、凄すぎるぜ、斎藤!
またきっちり、それを身体に当てて前にこぼし、三塁走者をアウトにした白川捕手も凄いです。そうしてくれると、信頼してとっさのワンバンを投げられる、斎藤投手の信頼も厚いです。
さらに延長最終回の15回表、駒大苫小牧の4番本間篤選手への投球。味方を鼓舞するかのような初球147キロから始まった、最後に残っていたガソリンを燃焼し尽くすような熱投に胸が熱くなりました。あの打席まで本間篤選手はスライダーにタイミングが合っていなかったのですが、三振に取ったフォークボール以外、すべて、あえて、ストレートで挑んでいます。お客さんも感動したのでしょう、あのとき本間篤選手への声援がかき消されて、3年間の駒大苫小牧の決勝戦で初めて、駒大苫小牧が応援で押されたシーンをみました。
クールな頭脳で、ハートは熱く。斎藤投手のピッチングに惚れました。
斎藤投手は今日も投げるのでしょうか。試合後の取材用通路では早実の二年生が、
「僕らには斎藤さんしかいない。斎藤さんが投げてくれるなら、結果がどうなって本望です」
という絶叫のような祈りがありました。
身体は心配だけど、駒大苫小牧の田中投手が誰よりもそれを望んでいる気がします。