伝令の中身は……
08月14日

ピンチになるとタイムをかけて、控え選手かベンチからマウンドに走る「伝令」。高校野球ではマウンドに3人以上集まるタイムは9イニングで3回までと決められています(キャッチャーだけマウンドに行くタイムは制限がありません)。3回しか許されないのですから、伝令をどのタイミングで、どんな内容にするか、ベンチの監督さんは思案のしどころです。記者は伝令にいったタイミングと選手をメモしておき、試合後に「どんな内容だった?」と質問することもよくあります。
その内容は大別すると、伝令の中身はさておいて、ただひと呼吸あける「間」を取るためだけの「リラックス」系、「点差があるから走者を無視して打者に集中しよう」などの「基本事項再確認」系、さらに伝令がラインのところでわざと転んで笑いを誘い、リラックスさせる「吉本」系もあります。
松代対八重山商工の試合、9回表松代の攻撃で、八重山商工の大嶺祐太投手のコントロールが乱れて、四球のあとデッドボールを出したときにベンチから伝令が走りました。八重山商工の伊志嶺監督はあまり伝令を出さないので、おや?と思って試合後に伝令役の新城永人選手に、内容をたずねました。新城選手、笑いながら教えてくれました。
「(大嶺)祐太に『死ね』と言いに行きました」
「は?」
「監督は奮起させるために『死ねと言ってこい』と、よく言いに行かせるんですよ。だから『祐太、監督が死ねと言っているよ』って言いに行きました」
「大嶺投手の反応は」
「『はいはい』と笑ってました。みんなもう慣れっこなんです」
たしかにビデオで再確認すると、マウンドの上で集まったみんなに「またかよ」という笑いが広がっていました。これを名付けて「おんどりゃー」系とでも申しましょうか。わざわざタイムをかけて、そんなこと言いに行かせる監督さんを初めて聞きました。厳しい言葉でカツを入れるというのか、「いつもの言葉」でリラックスさせるというのか。とにかく小学2年生のときから10年間指導して築き上げた伊志嶺監督と大嶺選手の信頼関係があってこそ、なのでしょう。
※写真は、“東北ダービー”を制した日大山形応援団。「自分でバリカン使ってやりました」。器用です。