
静かなマウンドで剛球 斎藤投手、3連投でも終盤に140キロ台
2006年08月21日
それでも、マウンドは静かだった――。
 4回表駒大苫小牧2死三塁、田中から三振を奪う斎藤
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頂点を決める試合は、延長戦に突入した。両校とも何度かチャンスをつかむものの、本塁には届かないでいた。
15回表2死。打席には駒大苫小牧の4番打者が入った。この打者さえ抑えれば、延長15回で引き分け再試合のため、早実の負けはなくなる。
早実のエース斎藤佑樹君(3年)は、強打者に直球で押した。147キロ、143キロ、147キロ。しかし、3球ともボール球。続けてアウトコースいっぱいの146キロを2球投げた。カウント2―3と追い込んだ。
この試合で3連投。もうそんなスタミナは残っていないはず。早実の三塁側アルプススタンドからは、この日、最も大きな声援がわき上がった。繰り返される「サイトー」は、駒大苫小牧の声援を圧倒していた。
しかし、斎藤君には聞こえなかった。
集中力が最も高まった6球目は 、130キロを超える高速フォークボールでバットに空を切らせた。張りつめていた緊張の糸は切れ、ガッツポーズを決めた。
斎藤君は11回表にも、1死満塁のピンチを迎えた。しかし、仲間の好守にも支えられ点を許さなかった。この時も140キロ超の速球を投じた。
意識して速い球を投げるわけではない。ただ、気持ちが高まった時、ここ一番の球が右腕から放たれる。自らの潜在能力は自分でもわからない。
「甲子園のマウンドは大げさに言うと、音一つ聞こえないんです」。エースは、21日も同じ「静かなマウンド」に登る。(五十嵐聖士郎)
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