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執念の一打、朝練が生む 島田工・渋谷主将

2006年07月23日

 5回表1死。島田工の主将渋谷暁人君は、4球目の内角低めのスライダーを思い切り振った。バットの芯には当たったけれど、球威に押されて手応えがよくない。

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島田工の渋谷暁人主将

 「頼む、落ちてくれ」。思わず心の中で叫んでいた。すると打球は二塁手と右翼手の間へポトリ。渋谷君は後続打者の四球と安打で生還し、島田工は先制点を挙げた。

 「みんなが打たせてくれたヒットだった」。1点差で敗れた試合後、涙で顔をくしゃくしゃにしながら渋谷君はそう話した。

 1年生からレギュラーだった。だが、2年の春、打てなくなる。調子を取り戻したいと始めた朝7時からの練習には、レギュラーを外れた先輩2人が付き合ってくれた。今春からは同級生の控え内野手、森田友樹君が力を貸してくれ、大代茂雄監督も顔を出してはアドバイスをくれた。

 「朝練がなかったら、あのヒットはなかった」

 164センチ、60キロの体には、エネルギーが詰まっている。試合中、誰よりも声を出し、どんなときにも全力疾走する。帽子のつばに大きな文字で「笑顔」と書き込んで試合に臨んだ。

 「自分たちは弱いから、普通にやっても勝てない。でも、勝てるのは元気と笑顔」

 最後まで、自分を助けてくれた仲間を励まし続け、チームを盛り上げた。

 夏休みはみんなに感謝して、野球部の練習に参加しようと思っている。「今日みたいな悔しさを後輩には味わってほしくない」。力を込めた。

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