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努力の巧打者、涙こらえ 常葉菊川・村山主将

2006年07月18日

 試合終了後、一塁側ベンチ前。

 整列して相手の校歌を聴きながら、常葉菊川の村山正誠君は天を仰ぎ、歯を食いしばった。涙がこぼれそうだった。でも、泣きたくなかった。主将の自分が泣いたらチームが暗くなる。そう分かっていたからだ。

 1点リードの3回表、1死二塁で回ってきた打席。初球のフォークが抜けて、真ん中に来た。「とらえられる」。3番打者の体が自然に反応した。打った瞬間、「(スタンドまで)行ったと思った」。だが、打球は右翼手のグラブに。

 「届かなかった。あそこで入っていたら、試合が変わっていた」と悔やんだ。

 約1カ月前、練習中に無理な姿勢から球を投げ、右肩を痛めた。右投げ左打ち。テーピングをし、痛み止めを飲んで、今大会に臨んだ。ポジションは本来の遊撃ではなく、一塁と二塁。だが、本塁までも投げられる状態ではなかった。

 春の大会は、6試合で本塁打1本、二塁打5本。巧打者として注目されている。杉本陽介副部長は「練習熱心。一番遅くまでグラウンドに残っていたのではないか」と評する。

 「バッティングは感覚」と村山君。1年のころから、自主練習の時間に打撃をするなど、こつこつと積み重ねた。「数ではなく、自分が納得するまでやった」。努力でつかんだ「感覚」だった。

 「中学のときは打てる方ではなかったんです。ひたすら練習をやっていたら、いつの間にかこうなっていた。夢を見ているみたいだった」

 高校生活を振り返って淡々と語る。

 いまは、頭の中が真っ白。これからのことは、もう少し落ち着いてから考えるつもりだ。

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