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八幡商、6年ぶり頂点 滋賀学園リード守れず2006年07月30日 八幡商が6年ぶりに頂点に立った――。第88回全国高校野球選手権滋賀大会は29日、県立彦根球場で決勝があった。長雨にたたられた今大会を象徴するように、この日も雨で約2時間遅れの試合開始。八幡商が5回に満塁本塁打で滋賀学園を逆転する劇的な展開となった。優勝した八幡商は、8月6日に開幕する全国大会に出場する。八幡商の夏の甲子園出場は6回目。
◎…雨で試合開始が2時間近く遅れた決勝。上空では、風が本塁からスコアボード方向へ吹き続け、旗が大きくなびいていた。その風が試合を動かした。 1回裏、八幡商は先頭富原が右前打で出塁。犠打で送り、滋賀学園のエース伊佐の立ち上がりを崩しにかかる。 伊佐が投じた木村への2球目。三塁への飛球が上がり、打ち取ったかに見えた。しかし、風に流されたボールはファウルグラウンドに落ちた。直後、木村は左翼へ二塁打を放ち、富原が先制の本塁を踏んだ。 ぬれたボールが気になるのか、伊佐はしきりにポケットへ手をやった。岩口に痛烈なセンター返しを浴びるも、後続を連続三振に仕留めた。 2回、打席に入った伊佐は「悔しさを全部ボールにぶつけました」。真ん中に入ってきた直球を強振すると、打球は左中間スタンドへ飛び込んだ。エースが意地の一発を見せ、滋賀学園が追いついた。 ◎…中盤にかけてリズムをつかんだのは滋賀学園だった。4回、二塁打で出た伊佐を、捕手の小角が右前打でかえして勝ち越すと、5回には川口敦の右越え本塁打でリードを広げた。 八幡商はその裏、2連打に犠打が野選となり、無死満塁の好機を迎えた。打席には、今大会2本塁打の遠塚。しかし、遠塚は前の2打席で、外角へ逃げる変化球に手を出し、2三振を喫していた。ベンチの池川監督が出したサインは「初球から行け」。 遠塚は「外角は捨てる。とにかく次へつなげよう」。そう思いながら、いつものようにバットで大きな円を描くように左腕を回してから構えた。初球、伊佐のスライダーがすっぽ抜け、高めの甘いコースに入ってきた。風に乗った左翼ポール際への大飛球は、逆転のグランドスラム。流れを一気に引き寄せた。遠塚は、ダイヤモンドを一周しながら、ベンチ入りできなかった3年生のことを思った。「応援してくれてありがとう」 対照的に、滋賀学園には痛すぎる一発だった。伊佐は「真っ白になった。何も考えられなくなった」。次打者に死球を与えた伊佐は、マウンドを中村に譲り、一塁の守りに入った。
◎…6回以降、完全に立ち直った八幡商のエース成宮にとって、2点のリードで十分だった。成宮は「球が走っていて、『とにかく打たせて取ろう』というイメージ通りだった」。走者を背負っても緩急を使い分けて要所を締め、相手打線に狙いを定めさせなかった。最後の打球は、主将富原へ転がる。併殺にとると、富原は真っ先に成宮と抱き合った。チームメートがマウンドへ集まってくる。成宮は人さし指を青空に向けて突き立て、喜びを爆発させた。(敬称略)
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