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高校教諭からプロスカウトに転身 県大会、冷静に注目

2006年06月28日

 今年の夏は、暑さの感じ方が少し違う。

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高校教諭からプロ野球のスカウトになった大渕隆さん

 昨年まではジャージー姿。両腕や顔面を日差しにさらし、高校球児の動きを見つめていた。今の服装はクールビズ。メモを片手にスタンドから視線を送る。タオルで汗をふく回数が増えた。

 大渕隆さん(36)は、プロ野球北海道日本ハムファイターズのスカウト1年生。担当は首都圏と北信越など東日本が中心。6月の春季高校野球北信越大会にも足を運んだ。

 現場ではベテランスカウトの鋭さに接する。「あの選手のスイングはいいって、サラリと言う。僕はノーマークなのに」。緊張する瞬間が毎日のように訪れる。

 今年1月に退職するまで、新潟県の高校教諭だった。県高校野球連盟の強化委員も務めた。甲子園の強豪校のデータをまとめ、送りバントの重要度の低さなどを指摘した「大渕リポート」を作成。関係者から評価を得た。日本ハムでは、新しい視点で選手を発掘する人材として期待されている。

 「玄人ぶるのではなく、球団の魅力を伝える。知ってもらうことからはじめる」。今年配った名刺の数は球団一多い。十日町高から早大に進み、六大学リーグではベストナインに選ばれた。卒業後は社会人のIBMでプレー。プロ経験はない。その分、独自のスタイルで売り込む。

 各地をまわる中で感じた。「強化がヨコ割りで終わっている地域が多い。中学なら中学、高校なら高校。タテのつながりが薄い」。各年代で結果を残すことが求められ、組織を重視。将来を見据えて個性を伸ばす指導者は少ない。野球人気のかげりの端を見た気がした。

 新潟の野球は、それ以前の段階と言う。「頂点がない。社会人でも高校でもいい。少年たちがあこがれる全国クラスのチームが必要。そこから底辺が広がり、レベルも上がる」

 夏の新潟県大会。注目は、選抜大会ベスト8の日本文理。「同ブロックに伝統校が多い。その中を勝ち抜き、センバツ並みの活躍をすれば、新潟の主役になれる」。今後の新潟の野球界にとって、意味を持つ夏。離れた場所から冷静に注目する。

 (スポーツジャーナリスト・斎藤慎一郎)



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