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重ねた練習「ハンディ感じない」 富良野緑峰・冨沢選手2006年06月30日 三塁ベース上で高々と掲げた両腕。左手首から先はない。2回の富良野緑峰の攻撃。冨沢和明選手(3年)は左中間を深々と破るタイムリー三塁打を放ち、チームの勝利に貢献した。
生まれながらに左手首がなかった。「小さいころはなんで自分だけと思った。いまはそんな思いは全くありません」。左打席に入り、不自由な手をバットに添えて、右手1本で打球をはじく。3番打者として、この日放った3安打はいずれも長打だった。 左翼の守備にも不安はない。右手のグラブで捕球し、左腕に持ち直して素早く送球する。 「野球でハンディを感じたことはない。みんなと同じ練習をしているだけ」と言う。応援スタンドで見守った父武さん(46)は「ハンディはあった。見えないところで努力していた。小学生から自室に隠れて、毎日欠かさず水の入ったペットボトルで右腕を鍛えていた」と話す。 2人の兄は名門・砂川北高で野球部のレギュラー。自然と小学3年から野球少年団に入っていた。やはり手首がないながら、米大リーグで通算87勝を挙げたジム・アボットをテレビで見て、勇気をもらったという。 高校で硬式を始めると、打球が前に飛ばなくなった。怖がっていたバーベル挙げにも左腕を添えて挑戦するなど筋力トレーニングをひたすら重ね、1年秋に人生初のレギュラーになった。いまでは阿部隆厚監督(33)に「打球速度がチーム一」と言わしめる。 練習に対するひたむきな姿を周りの誰もが気づいている。阿部監督は「冨沢があれだけやるならおれたちも、とみんなが影響を受けている」とたたえた。(吉田純哉) |
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