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心ひとつ「夢球場」開幕 46チーム力強く行進2006年07月16日 橿原球場は華やいだ雰囲気に包まれた。15日午前10時。雲間から時折、真夏を感じさせる強い日差しが照りつける中、期待と喜びに満ちた、そしてちょっぴり不安げな選手たちの入場行進が始まった。(井潟克弘)
生駒高校吹奏楽部による大会歌「栄冠は君に輝く」の演奏が鳴り響く。先頭は昨年優勝の天理。続いて準優勝の広陵大和広陵が続いた。 プラカードを持ったマネジャーや学校代表の生徒が先導する。選手は「イチ、ニ」「イチ、ニ」と大きな声を上げながら、力強いが、どことなくぎこちない足取りでグラウンドを一周した。 はにかんだ笑顔、緊張にこわばった顔……表情はそれぞれだ。 参加46チームに続いて、47番目に1人で行進する男の子がいた。「高田東」とアナウンスされると、スタンドからひときわ大きな拍手がわき起こった。 部員不足で大会参加を見送った高田東の沢田辰一君(3年)。県高野連の特例で開会式の参加を認められた。 内野席は保護者や学校関係者でほぼ満席。行進に合わせて手拍子で、晴れ舞台の息子、生徒たちを見守った。 県高野連の平田明利会長は「みなさんは甲子園出場という夢の現実に向け、練習の中で切磋琢磨(せっさたくま)し努力してきたことと思います。ともに信じ、励まし合い部員一同が、心を一つにして全力で白球を追いかけて下さい」とあいさつ。 朝日新聞奈良総局の馬場秀司総局長は「第88回大会です。88という数字をしゃれていえば『ハアハア』。あえぐより『ヤアヤア』と楽しむ方が、実力を発揮できるに違いありません」と冗談めかしたが、選手は誰も笑わない。 朝日新聞社のヘリコプターから投下された始球式用のボールが、快晴の「青」に溶け込む。外野の中心に真っすぐポトンと落ちた。今年も、「夢球場」を目指す夏が始まった。
◆「感謝胸に全力でプレーします」 「われわれ球児一同は、野球ができることの喜び、感謝を胸に最後まで全力でプレーすることを誓います」 帝塚山の3年、木原浩主将(18)の宣誓はシンプルで短かった。それでも、支えてくれた人たちへの感謝の気持ちが強くにじみ出た。 「暑い中、聞いている人に悪いので」と、あえて短くしたという。一人で考えた後、堅田昌義監督と相談して決めた。家族やチームメートへの披露は、開会式となった。 宣誓を引き当てた抽選会では、「緊張しやすいんです」と不安な表情も見せていた。開会式前夜、風呂や布団の中で何度も繰り返し練習した。その後は「意外とよく眠れました」という。 ほっとした。「思い切って宣誓できたので、チームに勢いをつけられたと思う。1回戦を突破したい」
◆レスリング選手、豪快に始球式 始球式には毎年、野球以外のスポーツや文化の分野で活躍した県内の高校生が選ばれている。今年は、全日本ジュニアレスリング選手権大会で優勝した大和広陵高2年の田中正敏君(16)が務めた。 野球は、まったくの初心者。始球式に出ることが決まってから、同校野球部にいる友達に投球フォームから教えてもらったという。 「投げるときは胸を張れ」とアドバイスを受けたが、「緊張してうまくできなかった」と田中君。豪快なフォームで投げた球はやや弓なりに右へ寄りながら、開幕試合の添上の岡田和弥捕手のミットへ収まった。
優勝したレスリングの大会は今年4月に開かれ、田中君は持ち前のパワーでカデットの部(17歳以下)グレコローマンスタイル69キロ級で勝ち上がった。「今日はパワーじゃなくて丁寧に、を心がけてストライクを狙った。外れて悔しかったが、楽しかった」と話した。
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