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実力伯仲激戦の予感 県高野連役員6人が座談会2006年07月06日 第88回全国高校野球選手権茨城大会(朝日新聞社・県高野連主催)が8日、開幕する。例年以上に参加109校の力が伯仲し、本命なき大会になりそうだ。県高野連の役員に、大会の見どころや茨城野球の今を語ってもらった。
(司会は石田裕貴夫・朝日新聞水戸総局長)
――去年秋と今春の県大会の4強はそれぞれ別のチームでした。それだけ参加校の力に大きな差がないのでしょう。組み合わせを見ながら、ブロックごとの見どころを挙げてください。まず、Aブロックから。 江畑俊郎副理事長 県南勢では土浦湖北の金子君の投手力がちょっと上回っています。春の県大会で優勝し、関東大会では銚子商にコールド負けしましたが、土浦市内大会では抑えて、2―1で勝ちました。金子君の復調で上位進出が望めるのではないか。霞ケ浦の主戦岡野諒君も復調してきているし、土浦一は市内大会で、その霞ケ浦と常総学院に勝っており、ダークホース的な存在です。 五頭和三副理事長 県西勢では下妻二、古河三、鬼怒商に注目しています。下妻二は下村君を軸とした投手力。古河三は、選手一人一人は目立たないが、まとまりがあり、粘っこく接戦に強いチーム。鬼怒商の主戦生井君は最速145キロ近いボールを投げるといいます。乗ってくれば上位進出もあると思います。 服部寛副理事長 水戸地区では水戸葵陵。投打のバランスがとれた、総合力のあるチームです。 園部美智夫副理事長 県北では多賀に130キロ後半のスピードが出る投手の横山君がいます。日立北の得点力はブロック1ではないか。投手が踏ん張れば、いいところまでいくのではないでしょうか。 山崎信人審判長 1回戦では多賀と下館一、日立工と日立一が好試合になりそうです。ブロック全体では、やはり第1シードの土浦湖北中心の展開でしょう。 藤枝武博理事長 私も土浦湖北を軸に、鬼怒商と水戸葵陵がこれにどうからんでくるかだとみています。
――初戦から好ゲームが期待できそうですね。Bブロックはいかがですか。 江畑 総合力では常総学院が参加校中1番でしょう。問題はその力を試合で百パーセント発揮できるかどうか。順当に行けばベスト8をかけて土浦三と当たるでしょう。
――伝統校の水戸商と竜ケ崎一がいきなり対戦します。1回戦にはもったいない好カードです。 服部 第77回大会の決勝の組み合わせですね。あのときは水戸商が3―2と逆転で甲子園に行きました。今年はこの試合の勝者は力のある中央と土浦工の勝者との対戦です。シード校の藤代、つくば秀英も勝ち進むでしょうから、ここはたいへん激戦になりそうです。 江畑 竜ケ崎一は夏に向けて力をつけてきていますよ。 服部 水戸商は打のチーム。主軸に破壊力があります。投手の小林君、水毛君が期待通りの働きをしたら、勝ち上がっていくんじゃないですか。 江畑 昨年優勝の藤代もあなどれません。左腕の中川君は去年の優勝投手の湯本君とタイプは違いますが、期待しています。 五頭 中川君は春の県大会で見ています。ダイナミックなフォームから伸びのある速球を投げます。制球力がたいへんよかったです。 江畑 春の県大会では土浦湖北にコールド負けしましたが、あの時は中川君が食中毒で投げられなかったそうです。投げていれば結果は違っていたでしょう。 山崎 つくば秀英の2人の投手はプロのスカウトが注目しているほどです。左の山田君は190センチの身長で、最速143キロ。左腕のスピードでは関東でも指折りではないですか。もう1人、横手投げの埜口君は切れのあるボールを投げます。投手力に比べると打撃が劣るものの、ダークホース的なチームです。 藤枝 藤代は去年の甲子園組で残っている選手は少ないですが、第9シードで甲子園に行ったことがチームの自信になっているでしょう。
――さて、Cブロックです。 江畑 やはり土浦日大。エース三浦君は春は故障で投げられなかったのですが、復帰してチームも上り調子です。 服部 水戸桜ノ牧は投打のバランスがかみ合えば上位にいく力があります。それから常磐大は安定的な力を持っており、ダークホースになるんじゃないかと思っています。鉾田一にも2、3年生に好投手がいます。中学時代に一緒にプレーした選手たちもいるので、そろそろ力を出すんじゃないかと期待しています。 江畑 石岡一の斉藤監督は初戦の相手の鉾田一出身なんですよね。母校とどういう戦いをするか、楽しみです。
――県北勢では茨城キリストの評判がいいようですが。 園部 主戦の佐々木君は県北で一押しの好投手です。打撃も好調ですし、2回戦で水戸桜ノ牧と当たれば好ゲームになりますね。1回戦の佐和―勝田工、投手力のある守谷―勝田もいい試合になりそうです。 藤枝 やはりこのブロックは土浦日大がかぎを握っていますよね。三浦投手は肩とひじを痛めていたのですが、ここに来て仕上がってきました。 五頭 秋の県大会では土浦日大と岩瀬日大が兄弟校対決をして、土浦が8―7の辛勝でした。この大会で岩瀬が勝ち進んでまた対戦することになれば、雪辱に燃えるんじゃないですか。
――Dブロックも有力校が目白押しです。 園部 磯原は監督が交代しました。前の監督は選手をのせるのが上手でした。新監督のもとでチームがどう進化しているか、ねばり強い打撃の選手が多いので楽しみです。明秀日立は主戦小林君のスライダーがいい。総合力では県北一じゃないですか。大子清流は投手陣に不安が残るが、打撃がいい。 服部 水戸短大付には完投能力のある投手が数人います。守備もいいし、足もある。潜在能力は高く、このブロックの有力校です。 五頭 県西勢では八千代、下妻一、総和が上位をうかがうでしょう。八千代の攻撃力は県西一。下妻一はねばっこい攻めで、総合力がある。総和は春の地区大会で栗田投手が大変いい投球をしています。 藤枝 おっと、水戸工を忘れては困ります。春の県大会では同じブロックのシード校東洋大牛久といい試合をしたし、最近の練習試合で磯原をワンサイドで破っています。侮れません。 山崎 このブロックのダークホースは八千代、下妻一、水戸工、大子清流、総和。ブロック全体では水戸短大付が頭一つ抜けています。
――このブロックには東洋大牛久も控えていて、波乱含みの展開が期待できますね。最後に、大会全体を見渡して、いかがですか。 山崎 高校野球のチームは秋から春にかけては「投高打低」で、好投手のいるチームが成績を残しますが、夏にかけては打撃力をつけたチームが伸びてきます。となると、攻撃力一番の土浦日大に土浦湖北、常総学院、水戸短大付を加えた4強をどこが脅かすか、というところでしょう。 服部 その通りですね。やはり、夏は打撃力のないチームは勝ち上がっていけないと思います。 山崎 2回戦が面白いのではないかと思っているんです。シード校にダークホース的なチームがぶつかって、シード校があっけなく敗退。そんな可能性のある組み合わせのように思います。 園部 同感です。
――夏は「投低打高」とはいいながら、やはりチームの柱となる投手がいるといないとでは違いますね。 山崎 どのチームにもいい投手が1人はいますが、複数いるチームとなると土浦日大、水戸短大付、常総学院、つくば秀英ぐらいですよね。 江畑 ですから大会は天候に大きく左右されますよ。猛暑の日が続けば、どうしたって複数の投手がいなければなりませんからね。 ――本命なき大会などと言われていますが、1回戦から目の離せない大会になりそうです。
――ところで最近の県勢ですが、常総学院が全国制覇をしたころの元気がいまひとつ感じられないのですが。 山崎 低迷しているわけではないでしょう。去年の甲子園代表の藤代も初戦は延長戦の末に立派な勝利をあげました。次に大阪桐蔭という怪物チームに当たったのでそこまででしたが。甲子園で勝つには、やはり球を低めに集める投手が必要です。 園部 常勝チームがなくなりました。優勝校や準優勝校が毎年代わっていますが、茨城大会を勝ち抜いて力尽き、そこで終わってしまっていますね。 服部 選手がいろいろな学校に散らばり、限られた学校に集まらなくなりました。 江畑 身体能力の高い選手が野球以外のスポーツに流れる傾向もあります。 五頭 茨城大会の頂点に立つまで、力を持続していけるチームが少なくなっています。波崎柳川、中央、常磐大、藤代など、監督経験の浅い若い監督が増えています。世代交代が進みつつあるのかもしれません。 藤枝 甲子園に選手を連れて行ける監督と、甲子園で勝てる監督は違います。いまは甲子園に行っただけで息切れしてしまう。甲子園は何回か経験して初めて戦えるようになっていく。そういう意味では、選手として甲子園を経験した監督が出始めていて、これからが楽しみです。
――参加109校への激励、メッセージを。 園部 選手は「人事を尽くして天命を待つ」のことわざ通り、やることをやって悔いのない試合をして欲しい。監督には基本的なマナーとルールをしっかり理解して指導して欲しい。 五頭 どのチームも甲子園という夢を持っている。その夢に向かって全力プレーを。高校野球のすばらしさ、感激や感動を体感してもらいたい。 江畑 選手の全力でプレーする姿が人びとに感動を与えてくれる。失敗を恐れず、全力でやって欲しい。 服部 それぞれのチームの目標を達成できるよう、力を出し切ってほしい。 山崎 なぜ高校野球は人気があるのかを考えた上で、「スピーディーでフェアなプレー」を期待しています。
藤枝 ベンチ入りできない生徒の気持ちを考えながら一生懸命やって欲しい。大好きな野球に感謝する気持ちを忘れず、心と体と技術、最高のコンディションで大会を盛り上げて欲しい。
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