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〈06夏 夢模様1〉 出られなくても懸命、女子部員

2006年06月27日

 「お願いしまーす!」。県立古河三高のグラウンドに、小柄な女の子のノックを求める高い声が響いた。県高野連に初めて「部員」として登録された1年生の染谷早紀さん(16)だ。

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ベンチから練習試合の様子を見つめる染谷早紀さん=古河市民球場で

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 中学ではソフトボール部。3年生の夏、テレビで見た懸命にボールを追う球児の姿が胸に焼きついた。元球児の父時一さん(51)の影響で、小さいころから野球が好きだった。姉の知佳さん(19)も日体大女子短大の軟式野球部員。「どうしても野球をやってみたい」

 古河三高の受験を決めたのは、同校の田嶋一彦監督(50)が、「合格したら引き受けるよ」と言ってくれたからだ。時一さんと田嶋監督は、同高野球部で一緒にプレーした仲。早紀さんから相談された時一さんが、田嶋監督に尋ねてくれた。「規定で公式戦には出られないが、野球が好きなら、女の子だからと断る理由はないと考えた」と田嶋監督は語る。

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 4月。早紀さんは迷わず野球部に入った。平日の練習は午後4時から約4時間。1年生は最初体力づくりが中心で、身長153センチの早紀さんも素振り500回、学校の周りを3キロ走り、ウエートトレーニングをこなす。

 ランニングでは集団から遅れ、打球も外野には飛ばないが、同級生の郡司雅君(15)は「先輩や監督の話を聞いてうまくなろうと一生懸命。本当に頑張っている」と話す。

 通学は境町の自宅から自転車で片道1時間。帰宅は夜9時を回る。夕飯を食べると、疲れて寝てしまう日もあるが、やめたいと思ったことは一度もない。「昨日できなかったことが次の日はできるようになる。楽しい」

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 「早紀、守備につけ」。6月11日、桶川高(埼玉)との1年生同士の練習試合。鈴木修コーチ(37)の声が響いた。7回表、初めて二塁の守備についた。1死後、二遊間にゴロが飛んだ。思い切り手を伸ばして追いかけたが、打球はセンターへ抜けていった。1イニングだけの守備。早紀さんは「緊張して、守備位置に立っていただけ」と振り返る。

 夢は教員になって野球の面白さを伝え、女子野球の指導をすること。夏の大会では、ほかの部員とスタンドから声を限りに応援するつもりだ。

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 第88回全国高校野球選手権茨城大会が、7月8日に開幕する。大会を前に選手や関係者の姿を追った。



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