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ノーシード校に勢い 投手成長、接戦多く〈大会回顧〉

2006年08月02日

 65校が参加した第88回全国高校野球選手権岐阜大会(朝日新聞社、県高校野球連盟主催)は、県岐阜商が2年ぶり、26回目の夏の甲子園出場を決めた。一球にわき、一球に泣いた球児たち。彼らの繰り広げた熱戦を振り返る。

 混戦の大会だった。シード校4校が準々決勝までに姿を消し、決勝に残ったのは激戦のAゾーンを突破した県岐阜商と、開幕試合で勝利した大垣商だった。

 県岐阜商は主戦金森亮太君が6試合で先発し、5試合を1人で投げ抜き、優勝の立役者となった。キレのある変化球と130キロ台の速球を武器に48回を投げ、53奪三振の好投。与四死球11は制球力の良さを裏付ける。

 金森君が「一番苦しかった」と振り返る相手は昨夏の準決勝、昨秋の県大会決勝で敗れた岐阜城北。今春の選抜大会で活躍した左腕尾藤竜一君が満を持して先発し、投手戦に。中盤に守備が乱れ、県岐阜商は3点を追う展開になったが、8回、1点差に詰め寄ると、9回2死で長尾雄人君がサヨナラ本塁打をたたき込んだ。

 岐阜城北戦での勝利は「大きな意味があった」(藤田豊平主将)。「最後まであきらめない。自分で勝敗を決めない」(鍵谷英一郎監督)という精神面の強化が実を結んだことを示した。これで勢いがつき、シーソーゲームとなった中京戦でも中京の主戦小島初君をマウンドから降ろし、逆転勝ち。ここ一番での底力を見せた。

 一方、大垣商は開幕戦の飛騨神岡を逆転勝ちすると勢いに乗り、昨夏の覇者土岐商を下した。中盤から終盤にかけてつながり出す打線のしぶとさで中津商、可児を逆転で破り、11年ぶりに決勝に駒を進めた。主戦竹本圭佑君が走者を出しても要所を打たせて取る好投も見せた。

 決勝では、中盤から大きくリードを広げた県岐阜商が大舞台での経験の差を見せつけた。金森君は被安打2の好投。大垣商は緊張からか、守備が乱れ、失策5。坂和也君が本塁打を打つ意地を見せた。

 今大会は好投手が多かった。麗沢瑞浪の主戦村田瑛一君の直球は140キロ台の迫力。旋風を起こした可児には、2回戦で無安打無得点を達成した松葉一晃君。森川慎也君、中島将仁君との継投で各務原、清翔を抑えこんだ。

 市岐阜商の粟野雄一朗君は、大垣日大の強打線を相手に三塁を踏ませぬ好投。変化球を巧みに使った。麗沢瑞浪に敗れたが、岐阜高専の中村光君も要所で粘り強い力投だった。

 2回戦では、土岐紅陵の西尾征弥君が、昨秋の東海大会進出を果たした帝京可児の強打者をスライダーで抑えた。

 大差のゲームが少なく、接戦が多かったのは、投手陣の成長があったからだろう。

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