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【米・炭疽菌事件】

封書を凝視、肺炭疽で死んだ編集者の悲劇 被害紙再現


 米国を襲った炭疽(たんそ)菌汚染でただ1人亡くなったフロリダ州ボカラトンの新聞社デスクは、目が悪かったため、炭疽菌が入った封書を顔に近づけて凝視し、菌を吸い込んでしまった。同社が発行する週刊誌ナショナル・エンクワイアラーがベテランデスクの悲劇を詳しく報じた。

 封書は9月19日、サン紙の編集部に届いた。「サン紙気付。ジェニファー・ロペスさんに転送して下さい」と書かれ、女性歌手へのファンレターを装っていた。筒状のものが同封されていた。

 編集部長は、何か悪い予感がして開封せずにゴミ箱に捨てた。若い社員が、娘がロペスさんのファンだったことを思いだして、封書を拾い上げた。開封した時に通りかかったのが写真デスクのボブ・スティーブンズさん(63)だった。

 「面白そうだ」と言って封書を受け取り、自分の机に持ち帰った。目が悪いため、手紙を数センチのところまで顔に近づけた。白い粉と金色の物体がぱらぱらとこぼれ、コンピューターのキーボード上に散った。「ユダヤの星みたいな物が入ってるよ」と声をあげた。

 手紙には「ロペス様。あなたを愛している。結婚してほしい」などと書かれていた。有名人のゴシップが売り物のサン紙編集部では、人気絶頂の歌手にあてた手紙にデスクが興味を示すのはごく当たり前のことだった。

 スティーブンズさんは13日後の10月2日に入院、その3日後に亡くなった。死因は肺炭疽だった。

(10/19)

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