◆提供:家庭教師のトライ 教育情報センター
数学Aは大問が全部で15問、小問は35問と非常に多い。試験時間は45分となっているが、大問の数が多く出題内容も多岐に渡っているため、問題ごとに頭を素早く切り替えることができずに、時間が足りなくなってしまった生徒もいたと推測される。
出題の難易度は基礎的で、学校の教科書の例題レベルであった。出題数が多いため計算が必要な設問は少なかった。必要なのは、問題が求めていることを正しくかつ素早く読み取り、ミスなく解答に結びつける力が要求されている。また、中学2年生までに習う全ての単元から万遍なく出題されているため、いつでも過去に習った問題が解ける状態にしておくことと、決められた時間の中で解答する訓練を行うことが大切である。45分間という時間そのものは長くはないが、範囲が広かったこともあり、慣れない生徒は集中力が途切れてしまったかもしれない。設問ごとの内容は以下の通り。
1は基礎的な四則演算。2は文字式に関する基礎的な問題。3は一次方程式・連立方程式の計算と文章題。4は点対称、線対称に関する問題。5は立体図形の特徴に関する問題。6は平面図形の角度や性質に関する問題。7・8は平行四辺形の性質や証明に関する問題。9は比例・反比例の基礎的な問題。10は比例のグラフや変域に関する問題。11は反比例のグラフについての基礎的な問題。12は一次関数に関する基礎的な問題。13は二元一次方程式の解の集合に関する問題。14は一次関数を利用した文章題。15は場合の数、確率の基礎問題。
数学Bは、数学Aで問う基礎力に加え、それを実践でどれだけ活かせるか、あるいは表現できるかを問う問題となっており、実力の差が出る可能性が高い。与えられた条件を生かして解答を導き出す問題、ある条件から方程式を導き出す過程を説明させる問題、など応用力が試される設問が並んだ。これらの問題を解く力を身につけるためには、単純に「基礎」を理解するだけではなく、自分が持つあらゆる知識を様々な場面で使いこなす訓練を積むことが必要である。また、なぜそのような法則が導き出されるのか、などについて指導者は「パターン」だけで暗記をさせるのではなく、理論・理屈まで十分理解させるように配慮する必要があるだろう。
また、問題文から何を問われているのかを把握したり、数学的な説明を式だけではなく言葉で表現することにもなれておく必要がある。そのためには、一方的に指導をするのではなく、生徒自身の言葉で一つひとつの定理が成り立つ理由を説明させるなどの訓練も必要になる。また、問題集を漫然と解くだけでなく、生徒が自力で「その問題を解くためには、何が分からないといけないのか」をつかみとる訓練をすることが、得点力に結びつくポイントになるだろう。設問ごとの内容は以下の通り。
1は、上腕骨と身長の関係を男女それぞれで方程式にし、二つの方程式の関係について考察する問題。2は、ある自然数の法則についての証明問題。3は全体と部分の関係に対する原理・理屈を説明させる問題。4は、ある二つの辺の長さ等しいことを証明するまでのプロセスを考察させる問題。5は、富士山と富士五湖を題材にし、ある条件下で各所をめぐることができるルートが何種類かを求めさせる問題や、高度によって気温が変化する法則をグラフから読み取り、方程式を導き出す問題であった。
内容そのものは難解なものではないが、このような問われ方に慣れていない生徒は、戸惑ったのではないか。普段から、どれだけ一つひとつの定理などの理解を深めていたか、自分自身の言葉で数学的定理や考え方を表現する訓練を積んでいたかが、得点率に表れてくるだろう。