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【分析速報】日本史B

2008年01月19日

【提供:東進ハイスクール】

●思考力を問う良問がそろった。戦後史は1問のみに減少。

【難易度】昨年並み

【全体概観】

 大問数6題、小問数36題の問題数は昨年度と同様。出題された時代も、第1問のテーマ史で古代から近現代の祭礼や信仰を扱ったほか、各時代からバランス良く出題されているが、相変わらず近代以降の設問数は多い。戦後史は、独立した小問としては1題にとどまった。出題分野は、政治史と文化史の比重が高く、とくに近現代史では政治史が中心であったため、受験生にとっては取り組みやすい内容となった。出題形式は、正誤問題・正誤組合せ問題が中心であることに変化はないが、選択肢の文章の短文化が定着しているうえに、昨年度に登場した2文の正誤組合せ問題が今年もみられ、かなり取り組みやすくなった観がある。年代配列問題は5題に及び、昨年度よりも増加。写真・図版を使用した出題は昨年度並みにとどまった。史料問題については、読み取りを要求する出題が複数みられたが、落ち着いて対処すれば事足りる。難易度は、昨年度並みで易化傾向が定着した印象を受けるものの、歴史用語や年号の丸暗記といった安直な学習では太刀打ちできない、真の実力を問う良問がそろった。

●設問別分析

【第1問】古代から近現代の祭礼や信仰

 テーマ史を第1問に配置する構成は、従来と同様である。テーマが「神社に伝わる祭礼や信仰」という宗教史に関連した出題であったが、易化傾向を反映して、文化史対策が後手にまわった受験生でも十分に対応できる。問4の資料問題についても、オーソドックスな図版を利用している。問5、問6で若干差がついたであろう。

【第2問】原始・古代の社会

 Aは文字資料の歴史を題材にしているが、小問の内容は遺跡や教育などに派生している。問3の古代の教育に関する年代配列問題も平易。Bは、『日本霊異記』の史料を題材に、奈良時代の社会について問う設問である。問4の平城京条坊の読み取りは、過去にも出題例がある。問6の史料の読み取り問題についても、注釈を利用しながら落ちついて対処すれば正答にたどりつく。

【第3問】中世の政治と文化

 中世の政治と社会をテーマとした出題で、奥州藤原氏と守護の権限強化の変遷を題材にしている。Aの奥州藤原氏に関する出題はきわめて易しい。Bの出題についても、守護の成長過程として鎌倉時代・室町時代の差異を理解していれば正解できる。問6の戦国大名の出自に関する問題は、過去に同様の出題例がある。

【第4問】近世の政治と経済

 近世の産業を軸に、幕府や大名の経済政策や貿易をテーマにした出題で、社会経済史を主眼にした設問である。受験生がやや苦手とする江戸時代の産業をテーマにしていることもあって、他の大問に比べてやや難しい印象を受けたかも知れない。問1の銀の産出量の動向とそれに対応した幕府の動向に関する出題は、歴史的思考力を求めた良問。Bは『広益国産考』という出典名から史料内容が類推できる。問4も史料の読み取りから正文を照合させる良問。

【第5問】明治前期の政治

 自由民権運動の展開から大日本帝国憲法発布までの政治史を題材にしている。この時期の政治史の流れをきちんと理解していれば正解にたどり着くことができるが、若干細かい内容の出題もみられた。

【第6問】尾崎行雄を題材にした近現代史 

 生誕150周年を迎える政治家尾崎行雄を題材に、近現代の政治・外交を軸に出題している。全般的に平易な内容で、近現代史の対策が後手に回りやすい受験生にとっても、取り組みやすい問題であった。戦後史の問題も、それに限った独立問題としては問8の1題だけで、内容も過去の出題例にみられる1960年代の時期判定に関するものであった。

●新高3生へのアドバイス

 センター試験の中心が正誤問題であることはいうまでもありませんが、正誤の判定は歴史用語の短絡的な知識にとどまっていては対応できません。歴史的事項の内容・結果・意義などの歴史的思考力を試す出題に対応するためには、教科書を精読して、そのエッセンスを理解しながら吸収していくことが必要になります。また、近年増加傾向にある年代配列問題や時期判定問題については、正誤の判断材料として時間的概念が求められています。

 しかし、時間的概念だからといって、年号を丸暗記するのではなく、政治・社会経済・外交・文化などの諸分野の特徴を時代ごとに総合的にイメージ化して理解する必要があります。史料やグラフ・図版などを利用した資料問題も、センター試験の大きな特徴の1つです。学習の際に、史料集や図説を常に開くクセをつけておきたいものです。

 本番では、知識をいかに応用的に使うかが問われてきます。そのためには過去問やセンター用の問題集にできるだけ多く触れ、出題の傾向や問題パターンを的確につかむ練習を繰り返すことが必要です。力がついてから過去問をやろうなどと思っている人は、手遅れにならないように早い段階から演習的な勉強に入ってほしいものです。教科書の学習と並行して問題に触れ、理解が不十分な部分を教科書に戻って確認するのです。そうした作業の繰り返しが実力の蓄積につながります。センター試験の傾向を入念に分析した東進の「センタープレ入試」を年6回定期的に受験し、応用力を身につけるとともに、自分の弱点を修正して実力を高めてほしいと願っています。早速、「センタープレ入試・2月」の受験を勧めます。

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