2004参院選
 
教育 <明日への課題 2004参院選(3)>

 「明るい笑顔で 心と心を結ぼう――」

 午前8時半、智頭町の土師小学校に児童たちの歌声が響いた。文科省が02年度、道徳の補助教材として全国に配布した「心のノート」の言葉を集めて、同小教師が作曲した軽やかな歌だ。

 4年生の女子児童は「心のノートの言葉も歌も好き。やる気が出る。うれしい時に読みます」と言った。3・4年生用を見ると、「ひとりじゃないからがんばれる」「勇気を出せるわたしになろう」などと、やさしい言葉で語りかけている。

 だが、一部には「政府の押しつけ」「戦前の修身教科書だ」との批判もある。理由は、教科書のように検定を受けていない▽教育委員会を通していない▽中学生用に「我が国を愛し」との表記がある、などだ。

 県教委は、県内の全公立小中学校が使っているというが、「教室の隅に置いて、読みたい時に読みなさいとだけ言ってある」(県中部の男性教諭)というケースも少なくない。

 心のノートに懐疑的な人たちの中には「教育基本法改正を見越した動きでは」との見方もある。

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 6月16日の県議会本会議。議員提出の「教育基本法の早期改正を求める意見書」を巡り、激しい討論があった。

 前田八寿彦議員(自民)が「道徳心を醸成し、歴史や郷土、国を愛する心の育成を図る」と提案理由を説明。これに対して、福間裕隆議員(信)は「憲法にある平和や人権、民主主義をはじめ、法律やルールを守る国を目指すべきだ」と反論した。結局、意見書は賛成多数で可決され、国へ送られた。

 現行法を支持する立場をとる県教組の秋久正行執行委員長は言う。「国を愛することは間違いではない。ただ、どんな国をどう愛するのか、検討が必要ではないか」

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 教育現場には、もっと身近な問題もある。

 県が02年度から独自に始めた小学1、2年生の30人学級。すでに定着しているが、08年度以降はどうなるか分からない。

 県は、県職員給与の5%を3年間削ってひねり出した27億円を、30人学級実現のために増やした教職員の人件費などにあてている。それが07年度で終わる。6月、県議会で展望を問われた片山善博知事は、「継続を検討する」と答弁した。

 県教委の調べでは、教員の95%以上、保護者の80%以上が「30人学級は効果あり」と回答。鳥取大地域学部の渡部昭男教授(教育行政)は「少人数制を求める声は多いが、課題は財政。国レベルの制度にしないと、せっかくの取り組みが続かない」と指摘する。

 渡部教授が主張するのは、「公立義務教育諸学校の学級編成及び教職員定数の標準に関する法律」にある、1学級あたりの児童・生徒数を減らしたうえでの、教職員給与の半分を国が補助する国庫負担金制度の継続だ。

 小泉政権は昨年、06年度末までに国庫負担金の一般財源化の是非を検討することを、三位一体の改革に関する政府・与党協議会で決めた。もし、一般財源になると、使い道は教育分野とは限らず、各首長の裁量ということになる。

 (07/03)


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