2004参院選
 
市町村合併 <「改革」の足元:1 2004参院選>

 6月13、14日。中島町にある県立中島高校演劇コースの第3期生卒業公演があった。作品は井上ひさし原作の「十一ぴきのネコ」。2日間とも会場の能登演劇堂の客席651席がすべて埋まり、立ち見客がでるほどの盛況だった。

 公演を見終わった浅野敏夫校長は涙を流し、「こんなに涙腺がゆるんだのは久しぶりだ」と話した。

 前向きに生きようとする「にゃん太郎」役の丸谷真美子さんは、千葉県浦安市出身。中学3年秋に文化祭で演劇をしたことが忘れられず、中島高校を志望した。

 演劇表現のほか、狂言や太鼓といった伝統芸能の授業を受け、町民の劇団にも参加した。「町を歩くと、おじさんたちが『昨日の公演よかったよ』と応援してくれる」

 投げやりな性格の「にゃん十一」役の岡本彩香さんは富山県高岡市出身。演劇を本格的に勉強しようと、家族の心配をよそに一人で入学を決めた。下宿先のおじさんとドジョウ採りに行くなど自然を満喫した。「外での公演活動もあり、普通の高校生では味わえない体験ができた」と振り返る。

 演劇コースは普通科のなかにあり、プロを養成するのではなく、コミュニケーション能力を高めることが目的だ。「内向的な生徒も自己主張できるまでに成長する」と元藤了賢教頭。

 卒業公演には、町立中島中学の生徒約200人も観劇に訪れ、町職員らも顔をそろえた。同町は、俳優仲代達矢さんが主宰する無名塾が合宿をするなど演劇による町おこしを進め、同高演劇コースを全面的に応援。公演やリハーサル、けいこなどに能登演劇堂を無料で貸している。また、外部講師への謝礼や演劇鑑賞のために毎年100万円の補助をしているうえ、18人が生活している下宿先に対し1人あたり月3万円を支給している。町教委は「高校生がいるだけで町が活性化する」と説明する。

 ところが、国が進める「平成の大合併」の流れの中で、中島町は今年10月、七尾市や田鶴浜町、能登島町と合併して「七尾市」になる。合併協議会はそれぞれの市や町の特色を生かした街づくりをする計画を立てているが、「七尾市」が中島町ほどの支援を続けるのかは未定だ。奈良市から来ている2年生の南千尋さんも「先輩たちのように演劇堂が自由に使えなくなるかもしれない」と不安を漏らす。

 能登地方では過疎・少子化が進んでおり、最近の5年間で、七つの高校が統廃合されて生徒募集は3校になった。町内でも昨年度末に五つの小学校が一つに統合された。出崎允也・町教育長は「合併は世の中の流れかもしれないが、町の財産のこの高校は何とか存続させたい」と願っている。

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 小泉政権が発足して3年余。7月11日投開票の参院選は、「改革」への賛否を有権者が意思表示する場だ。自衛隊のイラク派遣や年金改革、郵政民営化、市町村合併……。いま、日本は数々の曲がり角に立っている。この間、石川はどう変わり、県民はどんな思いでいるのだろうか。足元を見つめた。

 <市町村合併> 小泉政権が誕生した01年4月には全国の自治体の数は3226だった。総務省によると、今年4月の時点で3100にまで減った。現在、各地に設置されている合併協議会がすべて合併を実現させた場合、1743まで減る。県内では今年3月に高松、宇ノ気、七塚の3町が合併し、かほく市が誕生した。01年4月に41あった市町村は、このまま進めば来年10月には19市町に減る予定だ。  (07/01)


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