2004参院選
 
野党共闘 生き残りへ複雑気分<焦点細見>

 24日、参院選公示の朝、大分市内は雨が降りしきった。大分選挙区の民主新顔、足立信也氏の出陣式に駆けつけた社民の横光克彦副党首は、傘もささずに訴えた。

 「国民を無視する小泉政権と戦う。国会を軽視する与党と戦う」。少し間をおいて、付け加えた。「そして、己自身のために戦う」

 昨秋の総選挙を大分3区で戦った横光氏は、27日も選挙カーに同乗。白い手袋をして、まるで候補者のように国東半島を1周した。

 大分では00年総選挙以降、民主、社民、連合大分で国政選挙の統一候補を立てる「三者協力」が続く。98年参院選で民主と社民が分かれて戦い、自民新顔だった仲道俊哉氏に敗れたことを教訓とした。

 01年は社民現職が統一候補で、今回は民主の順番。だが、社民県連の重野安正代表の胸中は複雑だ。「3年前から決まっていたとはいえ、社民の政策を訴える機会は少ない。難しい選挙だ」

 社民県連は、比例区で13万2000票という目標も掲げる。01年は9万4000票。目標達成のために「党内から候補者を出すべきだった」との声もくすぶるが、今後の大分での議席獲得を考えれば、民主との共闘は続けざるを得ない。

 民主県連の梶原九州男幹事長は、三者協力について「3年後はまったくの白紙」と言う。それでも、社民は足立氏を推す。重野氏は「社民としては、全国的にも厳しい結果が出るかもしれない。だからこそ、大分で推薦候補を勝たせて、3年後の統一候補に『社民』という選択肢を残さないといけない」。30日には村山元首相も大分市の街頭でマイクを握る。

 2大政党のはざまで第三極をめざす社民。最後の牙城(がじょう)でも、民主との共闘を通じて生き残りを模索せざるを得ない苦境にある。

 大分(改選数1)

仲道 俊哉(74)自現

足立 信也(47)民新

小野  勝(61)共新

荒木 国夫(59)無新

    □  □

 27日夜、沖縄選挙区の無所属新顔、糸数慶子氏は本島中部のレストランにいた。共産、社民、沖縄社会大衆(社大)の議員や首長ら70人余りも顔をそろえた。

 「取り組みが遅い。これで負けたら応援する側の問題だ」。村長の檄(げき)に選対幹部が続いた。「やるべきことをやろう」。だが、議員らは黙り込む。重い空気が漂った。

 沖縄は全国で唯一、民主、共産、社民3党が共闘する。他県と同じように民主、共産両党の溝は深いが、糸数氏の出身母体である社大が橋渡し役となった。不協和音を避けるため、合同選対は設けていない。

 その結果、選挙運動の「空洞化」が起きている。

 28日、宜野湾市の演説会。社大を中心とした選対本部が企画した。

 「首相は憲法改正と言ったが、9条改正は絶対に認められない」(共産の衆院議員)、「沖縄から自公にパンチを」(民主の衆院議員)。

 護憲を掲げて第三極をめざす共産、自公を相手に見据える民主。演説では両党の志向の違いばかりが際立った。1200人収容の会場に集まった聴衆は150人。本部から各党への連絡が遅れ、動員もかけられなかった。

 29日の勝連町での演説会は中止せざるを得なかった。「誰かが調整するはずだと、三すくみになっている」と民主県連の幹部は言う。

 不協和音を生じさせないための「ブリッジ共闘」だが、溝は隠しきれない。「負けたら共闘は二度と無理だ」。陣営に危機感がにじむ。

 沖縄(改選数1)

翁長 政俊(55)自新

糸数 慶子(56)無新

 (06/30)


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