2004参院選
 
年金改革 <あなたと考える04参院選:1>

 激しい与野党攻防の末、年金改革関連法は5日、政府・与党が参院本会議で採決を強行し成立した。折から政治家の年金未加入・未納が相次いで発覚、政治不信は募っている。24日の公示予定日まで半月余りとなった参院選でも、年金改革は大きな争点なりそうだ。立候補予定者は、どう訴えるのか。有権者の疑問をもとに、まずは年金問題から考える。

 ◆有権者から

 小泉首相はじめ国会議員の年金未加入・未納問題が発覚した。問題のある人たちがつくった年金改革関連法が、十分な議論もせずに成立したことに割り切れないものを感じる。(仙台市・主婦53歳)

 不況で売り上げが減り、年金を払えなくなる人も多い。老後を考えると不安だ。制度の中身が分かりにくい。わかりやすく改善してほしかったのに。(唐桑町・自営業46歳)

 ○法成立後、100年先見据え議論を 市川一朗氏(自民)

 健康で長生きすることはすばらしいことだ。そのために年金制度は重要な柱になっている。しかし、少子高齢化でお年寄りを支えてくれる若者が減っている。現行の年金制度のままでは、20年以内に積立金もなくなり、その後は予定通りの年金を払えなくなる。

 そこで、(1)保険料の上限を決め(2)給付水準の最低限度を確保し(3)基礎年金の国庫負担割合を3分の1から2分の1にするのが今回の改革。とにかくこれを成立させた上で、改めて100年先を見据えた議論を行うことが大事だと考える。

 ○まずきちんと納められる制度に 桜井充氏(民主)

 年金に未加入・未納の議員が年金保険料を引き上げる法案を作成すること自体納得がいかないのは当然だ。未納がこれほど広範なら、年金をきちんと納められる制度を作ることが先決だと思う。

 今回の年金改悪法案は、年金保険料を取れるところから取っていこうとするもので、年金をまじめに納めている人が馬鹿を見る内容となっている。積立金が足りなくなるから保険料を引き上げようとする短絡的な発想は納得がいかない。廃案以外にないと考え、最後まで戦ったが残念だ。

 ○「最低保障年金制度」の創設必要 遠藤いく子氏(共産)

 保険料は上限を設けて固定、給付は現役世代の50%維持という法案の「二枚看板」が、わが党議員の質疑を通じて偽りだと明らかになっていたにもかかわらず、強行採決は許されない。(1)国民に負担増と給付の大削減を押しつける悪法の撤廃(2)国会議員の加入義務化以降の議員在職期間の納入歴を全政党が公開(3)特権的な国会議員年金の抜本的見直し――が必要だ。

 一番の問題は低年金、無年金など土台が崩れていること。わが党は、最低保障年金制度を創設する対案を出している。

 ○一元化、全額税方式で8万円保障 沖田捷夫氏(社民)

 国民負担を増やし、抜本改革先送りで制度崩壊すら危ぶまれる改悪法案の強行採決は数の横暴で国民への暴挙だ。国会議員の未加入・未納は「国民の老後の命綱」軽視の証しで、議員に年金を議論する資格があるのか。

 (1)全国会議員の納入状況を調査し公表する(2)未納者は要職を辞め、未納額の10倍を年金会計に納付する(3)国会議員互助年金は廃止する――を実施すべし。保険料は当面据え置き、年金を一元化、全額税方式でだれにも最低8万円の基礎年金を保障する改革をめざす。

 ○法案は評価に値せず、問題先送り 菅原敏秋氏(無所属=民主推薦)

 関連法案については、参院での掘り下げた審議の様子があまり報道されていないため、採決だけが強く印象に残ってしまうだろう。政局を考えても、今回の参院選の勝敗が、年金行政を決める極めて重要な意味を持つ。法案は評価にすら値せず、問題先送りのためのごまかしにすぎない。

 世論調査では6、7割の国民が反対していた法案が可決されてしまった。強行採決が民主的だとは誰も思わない。市民の声が生かされる参院にするために国民は何をすべきか考えて頂きたい。

 【メモ】61年に国民皆年金がスタート。85年の改正で全国民共通の国民年金(基礎年金=自営業者や農業者はこれにのみ加入)に、報酬比例の年金(会社員の厚生年金、公務員の共済年金)を上乗せした制度に再編された。3階部分の企業年金加入者も多い。

 こんどの年金改革関連法は現在、年収の13・58%(労使折半)の厚生年金保険料を10月から毎年少しずつ引き上げ、17年度に18・30%で固定。国民年金は同年度に月額1万6900円で固定する内容。政府は給付について「現役世代の50%維持」と説明。しかし、受給開始後13年目から50%を割り込むことが明らかになるなど説明不足が浮き彫りになった。

 (06/06)


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